【専門家監修】高齢者の「歩く力」を守る運動メニュー│1日8,000歩より大切な「筋トレ習慣」
- hiromufitness
- 11月8日
- 読了時間: 8分

70代80代と年齢を重ねると「健康のために歩きましょう!」とよく言われます。
確かに、歩く事は心肺機能を保ち、認知症や生活習慣病の予防にもつながる重要な運動です。
しかし、歩くだけでは高齢者の筋力を維持することは難しいという事を知っていますか?
ある調査では、歩く時に使われる筋力は、最大筋力(MVC)の約5〜15%しか使われてないとの報告があり、全力の約1割の筋力しか使ってないのです。
その一方で、筋力を維持/向上させるためには最大筋力の30〜40%以上の負荷が必要とされます。
歩くだけでは、70~80代の筋肉は衰えていってしまう可能性があるのです。
結果として
歩く速度が遅くなる
ふらつきや転倒が増える
階段の上り下りが辛い...
この様な「歩く力の衰え」を感じやすくなるのです。
本記事では、大阪市内で高齢者向けの出張パーソナルトレーニングを行う専門家の視点から「70代80代の高齢者におすすめの運動メニュー」をわかりやすく解説します。
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毎日、歩くだけでは転倒は防げない

歩くときに使う筋肉は「遅筋」 転倒を防ぐのは「速筋」
毎日、歩いたり散歩しているのに、つまずいて転びそうになる。そう感じる70代80代の高齢者の方は少なくありません。
その理由は、歩くときに使う筋肉と、転倒を防ぐ筋肉が違うからです。
歩くときに使われるのは「遅筋」

人間の筋肉は「遅筋(赤筋)」と「速筋(白筋)」の2種類に分かれます。
歩くときに使われる主な筋肉は「遅筋(赤筋)」
酸素を多く使ってゆっくりと収縮し、持久力に優れ疲れにくいのが特徴です。
その一方で、遅筋は瞬間的な反応や強い力の発揮には向いていません。
つまり、「疲れずに歩くこと」は得意でも「転びそうになった瞬間に体を支える」動作は苦手なんです。
転倒を防ぐのは「速筋」
一方、転倒を防ぐ瞬間に働くのは「速筋(白筋)」です。
「速筋(白筋)」は、瞬発的な力を発揮する筋肉で、バランスを崩した時に「とっさに支える」働きをします。
高齢者は速筋が優先的に衰えていくので
足が引っかかった瞬間に、支える足が出てこない
バランスを崩した時に立て直せない
この様に「反応の遅れ」が起こりやすくなります。
「歩くだけ」では速筋は鍛えられない×

歩く運動では、遅筋ばかりが使われ速筋への刺激がほとんど入りません。
そのため、毎日8,000歩を歩いても「転倒を防ぐ力(反応力・支える力)」は鍛えられないのです。
「転倒を防ぐ」速筋を鍛えるには
筋力トレーニング ➤最大筋力の30~40%以上の負荷で行う
パワートレーニング ➤筋肉を素早く収縮させる動作を取り入れる
デュアルタスク運動 ➤複数の動作を組み合わせる運動(転倒の要因を察知しながら歩く練習)
こうした様々な運動を少しずつ取り入れることで、「反応する力」「支える力」が鍛えられ、転倒のリスクを大幅に減らすことができます。
70代80代の高齢者におすすめの運動メニュー

年齢を重ねても「自分の足で歩き続けること」は、介護の不安を減らすだけでなく。可愛いお孫さんの成長を元気に見守る為にも欠かせません。
しかし、加齢とともに外出の機会が減ったり、家で過ごす時間が増えることで、筋力やバランス感覚は思っているよりも早く衰えてしまいます。
「最近、歩くときに左右にふらつく事がある」
「椅子から立ち上がるときに、時間がかかる」
小さな違和感を放っておかずに、今できる事から始めていきましょう。
70代80代の高齢者におすすめな筋トレ
本記事では、転倒を防ぎ・歩く力を維持するために大切な3つの運動を紹介します。
筋トレ…歩く力の土台となる筋肉を鍛える
パワートレーニング…バランスを崩した時に素早く支える力を養う
デュアルタスク運動…「脳」と「身体」を同時に使い、反応力を高める
この3つに分けて解説をしていきます。
①SLR(ストレートレッグレイズ)

マットの上に仰向けに寝そべり、片膝を立てて、片足を伸ばしておきます。

息を吐きながら、片足を90度付近まで持ち上げ、下ろします。
(上げる動作:2秒/下ろす動作:2秒)
【効果】
股関節の前側の筋肉(腸腰筋)を強化し、歩行時に足を上げやすくする効果があります。
【回数の目安】
片足10回を目安に実施
余裕が出てきたら20回に増やす、又はアンクルウェイトを装着して実施
②ヒップリフト

マットに仰向けに寝そべり、両膝を立てる。
踵とお尻は1足分の距離を空けておく
(足のサイズ25㎝の人なら、約25㎝の間隔)

足で踏ん張りながらお尻を持ち上げる。
※肩から膝が一直線まで。腰が痛い方は細心の注意を払う。
【効果】
お尻(大殿筋)~太もも裏(ハムストリングス)の筋力を強化し、歩行時の推進力(前に進む力)を作ります。
【回数の目安】
10回を目安に行います。
余裕が出てきたら20回に増やす、又は膝にチューブバンドを装着してお尻の筋肉を活性化させる。
③ヒップアブダクション

マットに横向けに寝そべり、地面に付いている足を軽く曲げ身体のバランスを取る。
(腕は頬杖を付く、上半身を固定する形にする:写真を参考にして下さい)

上の足を開き真上に持ち上げ、お尻の横の筋肉を刺激していきます。

持ち上げる足が前後にブレない様に注意して下さい。
(真っ直ぐに持ち上げる練習が股関節の小さな筋肉を刺激します)
【効果】
お尻の横側の筋肉(中殿筋)を強化し、骨盤の安定感を作ります。
歩行時の横揺れやふらつきを防ぐ効果があります。
【回数の目安】
片足10回を目安に行います。
余裕が出てきたら20回に増やす、又はアンクルウェイトを装着してチャレンジ
④レッグエクステンション

椅子に腰を掛けて、背筋を伸ばした姿勢を作ります。

片膝を伸ばし、伸ばした位置で1秒キープ。
キープ後ゆっくりと初めの姿勢に戻します。

背筋が丸まると効果が半減するので、しっかりと背筋を伸ばしましょう。
(猫背姿勢が強い方も極力背中を伸ばす)
【効果】
太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)を強化し、歩行時の膝の安定性を高め、衝撃吸収の役割を果たし膝痛の緩和に働きます。
【回数の目安】
片足10回を目安に行います。
余裕が出てきたら20回に増やす、又はアンクルウェイトを装着してチャレンジ
⑤カーフレイズ

転倒を防ぐ為に、椅子の背もたれや壁に手を添えます。
(バランスを崩しても掴まれる安全な物に手を添えて下さい)

つま先立ちをするように踵を持ち上げ、ゆっくりと下ろします。

母指球(親指の付け根)と小指球(小指の付け根)の足の指の全体を使って踏ん張る。
【効果】
ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)を強化し、重心の安定や歩行時の推進力を作ることに働きます。
【回数の目安】
片足10回を目安に行います。
余裕が出てきたら20回に増やす、又は片足だけで10回チャレンジ
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「筋肉を効率よく付ける」
70代80代の高齢者におすすめなパワートレーニング
リアクションスクワット

椅子に浅く腰掛け、お辞儀をして足に体重を乗せておく。
(この時、膝よりも足が後ろの位置にある様に)

「はい!」や手の合図と共に、素早くと立ち上がる。
※お辞儀の姿勢が出来ていないと、転倒を引き起こすリスクがあります。
【効果】
合図で素早く動作を行う事で、反射神経と筋肉の素早い収縮を学習できる。
転びそうになった時に足を素早く出す事ができる。
【回数の目安】
5回を目安に行います。
余裕が出てきたら「1の時だけ立ち上がる」とルール決めをして「様々な数字を言う」など難易度をアップ
70代80代の高齢者におすすめなデュアルタスク運動

椅子や壁に手を添えて、その場で足踏みを行う。
足踏みを行いながら、100から7を順番に引いていく。

途中で足踏みが止まらない
引き算を間違えない
この2つを意識しながら「脳」と「身体」を同時に活性化。
【効果】
「脳」と「身体」を同時に使う事で神経を活性化。歩きながら脳を使う事で、バランスを崩す要因を事前に察知できる能力を磨き転倒を防ぐ。
【回数の目安】
1日に2~3回を目安に行う
余裕が出てきたら数字を変えたりしてみる
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70代80代の高齢者のおすすめの運動のまとめ

年齢を重ねると「歩くのが遅くなった」「段差でつまずく」といった歩行に関する悩みが出てきます。
しかし、これは「加齢が原因」だけでなく、「運動不足による筋力低下」が原因のことも非常に多いです。
歩行時に必要な筋肉やバランス能力を正しく鍛えれば、70代80代からでも、自信を持って自分の足で歩く事は可能です!
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