【専門家監修】高齢の親が、最近よくつまずく。つまずき予防のエクササイズ5つ紹介!
- hiromufitness
- 5 日前
- 読了時間: 6分

70代80代になる、親がよくつまずくようになった...
それは加齢による自然な衰えの一部かもしれませんが、放置すると転倒や骨折を招き、介護生活につながるなど生活の質を大きく下げるリスクがあります。
実は「つまずきやすくなる」背景には、高齢者特有の原因があります。
そしてその多くは、ご自宅で取り組める「簡単な運動習慣」で予防・改善が可能です。
本記事では、専門家の知見をもとに、安全にできるつまずき予防エクササイズ5選をわかりやすく紹介します。
監修表記
※本記事は、大阪市でご高齢者向け出張/訪問型トレーニング「おうちパーソナル」を運営する代表の土屋が監修しています。
なぜ高齢者はつまずきやすくなるのか?

高齢になると、ちょっとした段差や絨毯の境目、さらには何もない平らな場所でもつまずいてしまうことがあります。
その背景には、いくつかの身体的な要因が関係しています。
下半身の筋力が低下している
特に太もも(大腿四頭筋)、股関節を持ち上げる筋肉(腸腰筋)、すねの前の筋肉(前脛骨筋)、ふくらはぎ(下腿三頭筋)が弱くなると、足をしっかり持ち上げられなくなります。
その結果、歩く時に地面と足の間の距離(クリアランス)が小さくなり、わずかな段差でも引っかかりやすくなります。
バランス能力の低下
歩行は「片足で体を支える動作」の連続です。
加齢によりバランスを取る力が弱まると、片足で体を支えるときに安定せず、脚を出すタイミングがずれることがあります。
その結果、つまずきや転倒を誘発しやすくなります。
身体感覚の鈍化(感覚機能の低下)
年齢とともに、体の位置や動きを感じ取る感覚(固有受容感覚)や、足裏の触覚・平衡感覚が衰えます。
「今、体がどの位置にあるのか」「バランスを崩しかけているのか」といった情報を脳にうまく伝えられなくなるため、とっさの修正動作が遅れて転倒につながりやすくなります。
姿勢の崩れ
猫背などで背骨や骨盤の位置が崩れると、股関節の動きが制限され、足を十分に上げられなくなります。
その結果、クリアランスがさらに減少し、「足を上げたいのに上がらない」という状態になってしまいます。
しかし、これらの原因は「完全に防げない」わけではありません。
下半身の筋力やバランス感覚は、ご自宅でできる運動でも改善できることも多いのです。
ここからは、ご自宅で無理なく取り組める「つまずき予防エクササイズ」を5つ紹介します。
エクササイズを始める前の注意点(安全面)

高齢者が運動を行うときに最も大切なのは安全の確保です。
間違った方法や無理な負荷は、かえって転倒やケガの原因になってしまいます。以下のポイントを意識して取り組みましょう。
①必ず支えを確保する
壁・椅子・手すりなど、すぐにつかまれる場所で行いましょう。
特に片足立ちなどのバランス運動は「転倒予防」が目的なので、支えを使うことはむしろ正解です。
②痛みがある場合は中止する
膝や腰に強い痛みを感じるときは無理をせず、その日の運動は控えましょう。
筋肉自体の軽い張りは正しい反応ですが、鋭い痛みは危険信号です。
③少ない回数から始める
最初は5~10回程度から、様子を見ながら増やしていきましょう。
「毎日少しずつ」が効果につながります。
④転倒のリスクが高い方は同伴者と一緒に
過去に転倒歴がある方や、ふらつきが強い方は、ご家族が近くで見守りながら行うのが安全です。
もし、安心・安全に運動を行いたいと感じる方は、専門家の力を借りるのも一つの方法です。
専門家と一緒なら、転倒の不安を減らしながら、その方の体力や健康状態に合わせた運動を取り入れることができます。
つまずき予防におすすめのエクササイズ5選
ここからは、ご高齢の親御さんにおすすめできるつまずき予防エクササイズを5つ紹介します。
どれもご自宅で簡単にできる運動ばかりで、特別な器具は必要ありません。
親御さんが安全に取り組めるように見守りながら、一緒にやってみるのも効果的です。
①SLR(ストレートレッグレイズ)
【効果】
股関節の前側の筋肉(腸腰筋)を強化し、歩行時に足を上げやすくする効果があります。
【やり方】
仰向けになり、左の膝を立てて、右足を伸ばしておきます。
息を吐きながら、右足を90度付近まで持ち上げ、下ろします。 (上げる動作:2秒/下ろす動作:2秒)
①

②

【回数の目安】
片足10回を目安に実施
余裕が出てきたら20回に増やす、又はアンクルウェイトを装着して実施
②ヒップアブダクション
【効果】
お尻の横側の筋肉(中殿筋)を強化し、骨盤の安定感を作ることで横揺れやふらつきを防ぎます。
【やり方】
ヨガマットに横向けに寝そべり、地面に付いている足を軽く曲げる。 (腕は身体が安定しやすい形でOK:写真参考)
伸ばしている上の足を垂直に持ち上げる
持ち上げる角度が前後にブレない様に注意
①

②

③

【回数の目安】
片足10回を目安に実施
余裕が出てきたら20回に増やす、又はアンクルウェイトを装着して実施
③レッグエクステンション
【効果】
太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)を強化し、歩行時の膝の安定と膝痛の緩和に働きます。
【やり方】
椅子に腰を掛けて、背筋を伸ばす。
息を吐きながら片膝を伸ばし、伸ばした位置で1秒キープしゆっくりと戻す。
背筋が丸々と効果が半減するので注意
①

②

③

【回数の目安】
片足10回を目安に実施
余裕が出てきたら20回に増やす、又はアンクルウェイトを装着して実施
④カーフレイズ
【効果】
ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)を強化し、重心の安定や歩行時の推進力を作ることに働きます。
【やり方】
椅子の背もたれや壁に手を添え立ちます。
つま先立ちをするように踵を持ち上げ、下ろします。
母指球(親指の付け根)と小指球(小指の付け根)の足の指の全体を使って踏ん張る。
①

②

③

【回数の目安】
片足10回を目安に実施
余裕が出てきたら20回に増やす、又は片足だけで10回実施
⑤片足立ちバランス
【効果】
下半身全体の筋肉を強化し、足裏の感覚を活性化する事で歩行時のバランス能力が高まる。
【やり方】
椅子の背もたれや壁に手を添えて、片足でバランスを取る
背中が丸まったり、身体がのけぞらない様に注意
①

②

【回数の目安】
片足30秒を目安に実施
余裕が出てきたら手の支えを無くす、又は閉眼(目を閉じて)にて実施。
[PR]
まとめ

高齢になるとつまずきやすくなるのは自然な変化ですが、日々のちょっとした運動で改善できることは多くあります。
今回紹介した5つのエクササイズ(SLR・レッグエクステンション・つま先上げ・股関節外転・片足立ち)は、どれもご自宅で安全に取り入れられる内容です。
「年齢だから仕方ない」と諦めずに続けることで、筋力やバランスは少しずつ取り戻せます。
それは転倒や骨折のリスクを減らし、生活の安心や自立した生活を守ることにつながります。
ただし、親御さん一人で続けるのが不安、正しいやり方で進めたいという場合には、専門家のサポートを受けるのも安心です。
➤ 大阪市のご高齢者向け出張・訪問トレーニング「おうちパーソナル」に相談する
[PR]
コメント