親が歩けなくなってきた…今すぐできる対策とサポート法【専門家監修】
- hiromufitness
- 3月23日
- 読了時間: 11分

「最近、親の歩くスピードが遅くなってきた」
「つまずくことが増えた」
そんな悩みを感じていませんか?
年齢を重ねると体力は衰えていき、高齢になると歩けなくなり介護が必要になる方も少なくありません。
ご高齢の家族と離れて暮らしていると、お正月やお盆などの長期休暇で規制されたタイミングで。
「あれ。うちの親歩けなくなってる?」
この様に感じる事もあるかもしれません。
そこでこの記事では、高齢者が歩けなくなったら考えるべきことや、親の健康と生活の質を維持するための方法について解説します。
自宅出張/訪問型の運動指導(パーソナルトレーニング)をしている筆者の現場経験を元に、介護一歩手前でできる“生活の質を守る方法”をお伝えします。
ご高齢の親が歩けなくなる原因とは?

「歩けない」と感じる原因は、単に筋力の問題だけではありません。
身体的な衰えから精神的な意欲の低下、病気や薬の影響まで、さまざまな要因が複雑に絡んでいます。
以下では、高齢者に多く見られる「歩けない」代表的な原因を5つ解説します。
①加齢による筋力低下(サルコペニア)
60歳を超えると筋肉量は年に1%ずつ減ると言われています。
特に下半身の筋肉(太もも・お尻・ふくらはぎ)が衰えると、歩行機能(歩く能力)に影響が出ます。
座る・立つ・歩くといった基本動作がつらくなり、転倒や骨折リスクも高まります。
②関節の変形や痛み(変形性膝関節症など)
加齢とともに関節の軟骨がすり減り、膝や股関節に痛みが出たり、動かしづらくなったりすることがあります。
痛みがあると歩いたりなどの運動が少なくなり、さらに筋力が落ちる悪循環が起こります。
③病気・薬の副作用
脳卒中後の後遺症やパーキンソン病、糖尿病性の神経障害などは歩行機能に大きな影響を与えます。
また、高血圧や不整脈の治療に使う薬の副作用で、ふらつきや倦怠感が出ることもあります。
(転倒を恐れて、歩いたり・外出に消極的になる事があります)
④フレイル・認知機能低下
フレイルは「加齢による心身の衰え」を指し、筋力だけでなく認知面・社会的つながりの低下も含みます。
活動量が落ち、外出や運動が減ることで筋肉がさらに減少し、気力の低下も相まって「歩けない」状態が進行してしまいます。
⑤精神的な要因(うつ状態・意欲低下)
大切な人を失った後や、長引く体調不良が続いたときなど、気分の落ち込みやうつ状態が原因で「外に出たくない」「歩くのが面倒」といった心理が働くこともあります。
これらの要因が複雑に絡み合い、「歩けなくなってきた」と感じる状態へと進行します。正しく原因を見極めることが、改善への第一歩です。
(過去に外で歩いていて、転倒して骨折をしたから外出したくない。こんな理由もあります。)
歩行能力低下のサインを見逃さない

歩けなくなる前には、必ず「小さな変化」が見られます。
次のようなサインを見逃さず、「早期に対処する」ことがとても重要です。
【よくあるサイン一覧】
階段の上り下りがきつそうになった
手すりや壁を持たないと歩けない様子が増えた
外出したがらなくなり、家にこもりがちになった
椅子から立ち上がるのに時間がかかる、反動を使う
足をしっかり上げず、引きずるように歩いている
買い物の荷物を持つのを嫌がるようになった
靴のつま先やかかとがすり減るのが早くなった
体の変化だけでなく「行動の変化」にも注目
「転びそうで怖いから外出しない」
「歩くのが億劫」
こういった行動の変化も、歩行能力低下の兆候です。
特に注意すべきなのは、“活動の縮小”です。
出かける頻度や行動範囲が狭まっている場合は、要注意です。
こんな場面もサインになる
以前よりも歩く速度が遅く、信号を渡りきれない
食事や入浴が億劫になり、生活全体が停滞している
ご家族だからこそ気付けるサインがたくさんあります。
「年のせいだから仕方ない」と流さず、小さな変化に敏感になることが重要です。
今すぐできる!自宅での歩行改善エクササイズ
「まだ自分で歩けるうちに、簡単な運動を取り入れておきたい」
そんなときにおすすめなのが、毎日5分からできる軽いエクササイズです。
特別な器具は必要なく、自宅で無理なく始められます。
①椅子スクワット(下半身の筋力アップ)

【目的】太もも・お尻の筋力強化、立ち上がる動作の安定化
背もたれのある椅子に浅く腰かける
背筋を伸ばし、手を前に伸ばしてバランスをとる
ゆっくり立ち上がる
ゆっくり元の姿勢に戻る(ドスンと座らない)
→ 10回×2セット(できる範囲からでOK)
※膝に痛みがある場合は無理せず、回数を減らしましょう。
②つま先立ち運動(ふくらはぎの強化)

【目的】ふくらはぎの筋力強化、血流改善、バランス力向上
壁や椅子の背もたれに軽く手を添える
かかとをゆっくり持ち上げてつま先立ち
2秒キープして、ゆっくりかかとを下ろす
→ 15回×2セット
※転倒防止のため、必ず支えを使って行ってください。
③もも上げ体操(歩行時の足上げをスムーズに)

【目的】股関節周りの柔軟性向上・つまずき予防
椅子に深く座る
背筋を伸ばし、片膝をゆっくり持ち上げる
ゆっくり下ろして反対側も行う
→ 左右10回ずつ(慣れてきたら3秒キープ)
これらの運動はすべて“ながら”でも可能です。
「テレビを見ながら」
「食後のひとときに」
生活の中に無理なく取り入れて、毎日継続することが何よりの効果につながります。
食事や生活習慣でできる対策

歩行能力の低下を防ぐには、運動だけでなく「体をつくる食事」や「日常の生活習慣」も大切なポイントです。
ここでは、筋力維持やエネルギー確保に欠かせない栄養素と、日常生活で取り入れやすい習慣を紹介します。
①タンパク質を意識して摂る
筋肉の主原料となる栄養素です。
高齢者は食が細くなり、肉や魚を避けがちですが、筋力維持/向上には少しでもいいので毎食での摂取が理想的です。
焼き魚、卵、納豆、豆腐、鶏むね肉など消化の良いものから取り入れましょう。
目安:1日体重1kgあたり1〜1.2gのたんぱく質が推奨されます。
②ビタミンDとカルシウムをセットで
骨の健康と筋肉機能を支える栄養素のペアです。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けるほか、筋肉の収縮にも関与します。
カルシウムだけ摂っても効果が出にくいため、両方を意識的に摂取しましょう。
カルシウム:牛乳・ヨーグルト・小魚・小松菜など
ビタミンD:鮭・いわし・しらす・きのこ類・日光浴
③水分をしっかりとる
脱水は筋肉のパフォーマンスを低下させ、転倒リスクを高めます。
「喉が渇かない」と感じていても、体内は水分不足に陥っていることがあります。
(特にご高齢になると飲んでいるつもり。になっている事が多いです)
目安:1日1.5〜2Lをこまめに摂取(お茶・スープも含む)
④ビタミンKとマグネシウムも味方に
ビタミンK:納豆・ブロッコリー・ほうれん草など(骨の形成に関与)
マグネシウム:アーモンド・海藻類(筋肉のけいれん予防)
⑤日光浴+軽い運動の習慣化
ビタミンDは日光を浴びることで体内でも生成されます。
晴れた日は15〜30分程度の散歩をする事で筋力維持やビタミンDの生成の一石二鳥になります。
屋内中心の生活でも、ベランダや庭先で日光に当たる時間を意識して作ったり、カーテンを開けて日光を取り込むことで精神的な落ち込みも減らせます。
⑥睡眠・ストレス管理も大切
慢性的な睡眠不足やストレスは、筋肉の合成を妨げたり、活動量の低下につながります。
決まった時間に寝起きし、リズムある生活を心がけることも、歩行能力維持につながります。
(高齢になると生活のリズムが乱れる事も少なくありません)
自宅出張/訪問運動サービスの活用メリット

ご高齢の親御さんに対して
「運動が大事なのはわかっているけれど、自分ではなかなかできない」
「外出が億劫になっている」
こういった、お声は非常に多く聞かれます。
そんなときに有効なのが、自宅に専門家が出張/訪問してサポートする「訪問運動指導サービス」です。
自宅という“安心できる環境”で指導を受けられる
高齢者にとって、新しい場所に行くことや、知らない人と一緒に運動することはハードルが高いことがあります。
訪問サービスなら、住み慣れた自宅という安心できる場所で指導を受けられるため、ストレスを感じず、継続しやすいという大きなメリットがあります。
そもそも外出が困難な中、運動施設に行く途中に転倒や骨折といったケースも少なくありません。
専門家による「オーダーメイド」の運動プログラム
訪問運動指導では、単なる体操ではなく、その方の体の状態や目的(筋力アップ・歩行安定・転倒予防など)に合わせたプログラムを組み立てることができます。
過去の疾患や関節の痛みなどを考慮した「安全で効果的なメニュー」が提供されます。
家族がその場で「サポート方法」を学べる
訪問型のサービスでは、運動指導を受けている様子を家族が一緒に見たり、参加したりすることも可能です。
その場でアドバイスを受けながら、日常の中で「どうサポートすれば良いか」を具体的に知ることができます。
たとえば、「立ち上がるときのサポートの仕方」「歩くときの声かけ」「転倒しにくい家の動線づくり」なども丁寧に伝えることができます。
定期的な「運動習慣が自然に身につく」
週1回の訪問でも
「今日は来てくれる日だ」
「一緒にがんばろう」
こういった気持ちが刺激となり、生活にハリが生まれます。
運動を通じて、表情や会話が明るくなる方も少なくありません。
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介護になる前にできる家族の関わり方

親の歩行能力が落ちてきたとき、家族が果たせる役割はとても大きなものです。
「まだ大丈夫」と思って、進行してしまう前に、以下のような関わりを心がけてみましょう。
①小さな変化を見逃さない「観察力」
「靴を履くのに時間がかかるようになった」
「部屋の中を歩くときにつかまる場所を探している」
日常の中の“ちょっとした変化”は、実は大きなサインかもしれません。
普段の歩き方や動作を注意深く見守り、気になる変化があれば記録をつけるなどして、家族間で共有しましょう。
「やってあげる」より「一緒にやる」
親の身体機能を保つには、“自分で動くこと”がとても重要です。
つい手助けしたくなる気持ちはありますが、「何でもやってあげる」よりも「一緒にやる」ことを意識しましょう。
たとえば、
一緒に散歩に出かける
ストレッチを家族で行う
食事の準備を一緒にする など、活動を共有することが筋力維持にも、精神的な健康にもつながります。
モチベーションを支える声かけ
高齢者は「もう年だから…」と諦めがちです。
そこで大切なのは、前向きな言葉で背中を押すこと。
「ちょっとずつやればいいよ」
「昨日より少し楽に歩けたね」
小さな変化に気づいて声をかけるだけで、やる気を引き出す大きな力になります。
転倒や環境への配慮も忘れずに
筋力の低下だけでなく、家庭内の段差や滑りやすい床が歩行を不安定にすることもあります。
マットやカーペットの端を固定する
ベッドやトイレ近くに手すりを設置する
廊下や階段に夜間ライトを設置する
こうした小さな改善も、歩行を支える大切なサポートです。
「第三者」の力を借りる選択肢も
家族だけで抱え込むのではなく、理学療法士や運動指導士など、専門家のサポートを取り入れることで、より安心・効果的な支援が可能になります。
訪問型サービスは、介護保険を使わなくても利用できる自由度の高い支援として、今後ますます注目されています。
まとめ:早期発見/対策で歩行力は取り戻せる
ご両親の歩行力の低下は、見て見ぬふりをしているとあっという間に進行してしまいます。
しかし、早い段階で対策を始めることで、筋力や歩行能力の改善は十分に可能です。
まずは、身近なサインに気づき、小さな運動や生活習慣の見直しから始めてみてください。
そして、無理をせずに家族が寄り添いながら支援していくことが、親の元気を守る第一歩です。
もし「自分たちだけでは不安」と感じた場合は、訪問型の運動指導サービスなど、専門家の力を借りることも前向きな選択肢の一つです。
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