CASE STUDY
おうちパーソナル
取り組み事例
[63歳男性]
T.M様の運動の取り組み
○ご相談のきっかけ
ご主人が退院後に歩行困難となり、歩行器を使っての生活。
言語障害も残り、日常生活での会話も極端に減ってしまっていたため、「せめて杖を使って歩けるように」「家の中でできることを少しずつ取り戻してほしい」という想いから、奥さまよりお問い合わせいただきました。
○初回カウンセリング時の様子
初回カウンセリングでは、ご本人が長年服用されていたお薬の副作用によって「リチウム中毒」を発症されたこと。
そして、その影響で小脳機能の低下(運動の調整がうまくいかない)が見られることを確認しました。
具体的には
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筋肉のこわばりが強く、力加減ができない
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言葉が出にくく、会話が難しい状態
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歩行やバランスの保持も不安定で、転倒リスクが高い状態
このような症状を踏まえ、「無理なく、安心して取り組めること」からスタートする方針を立てました。
○運動の取り組み内容
ご本人は筋肉のこわばりが強く、力の加減が難しい状態であったため、まずはストレッチやマッサージを中心に、筋緊張を緩めるサポートからスタート。
同時に、「寝たきり」にならないように筋力維持を目的とした運動も、無理のない範囲で取り入れました。
トレーニング中は
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力の調整ができるように、声かけによる感覚のフィードバック
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言語障害の改善や認知機能の維持を目的に、こまめな会話やリアクションのやり取り
これらの取り組みを積極的に行っています。
「できること」を少しずつ積み重ね、ご本人のペースに合わせながら、体と心の両面からのサポートを意識しています。
○ご本人様の変化
(以下、奥様からのコメント)
主人が退院後、歩行困難になり、歩行器と車椅子での生活となりました。元の生活には戻れなくても、杖を使って歩けるようになり、行動範囲が広がればいいなと、在宅での訪問トレーニングをお願いしています。
言語障害も残っていることも理解していただいており、いつも無口な主人がおしゃべりになるよう、たくさん話しかけてもくださいます。
細やかな所にも気が付き、いつも丁寧なご対応をしていたき、本当に感謝しております。
ネットで偶然見つけたトレーナーさんでしたが、もう、この人なしでは、今後の人生は考えられないと主人といつも、話しております。
○トレーナー目線の変化
運動機能そのものは、すぐに大きく回復するわけではありませんが、今よりも状態を悪化させないことを第一にサポートを続けています。
日々のトレーニングでは
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歩行器や杖の正しい使い方
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身体のバランスの取り方
これらをを繰り返し練習し、少しずつ「できること」を積み上げてきました。
当初は、歩行器を使ってトイレに行くのがやっとの状態でしたが、最近ではご自身で冷蔵庫を開けたり、電子レンジを使ったりと、生活の中での動作が明らかに増えてきています。
「自分でできることが少しでも増えた」という実感は、ご本人にとって大きな自信にもつながっていると感じています。